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インスペクションを実施

株式会社ソーラーパートナーズでは、「現地現物」でリフォーム工事を経験し、より良いサービスを提供できるようにするために、中古住宅を購入しました。
まずは電気、水道、インターネットを使えるようにし、デスクとチェアを用意することで、最低限の業務が行える環境を用意しました。
今後、普段の業務を行いながら、現地調査やリフォーム工事の様子を見学していきたいと考えています。
リフォーム工事を進めていくにあたって、補修が必要な箇所を洗い出すために、インスペクションを実施しましたので、今回はその話をお伝えしたいと思います。

インスペクションとは

「インスペクション」という言葉を聞いたことがある人は少ないかも知れません。
住宅業界で使われる「インスペクション」という言葉は、「建物状況調査」のことを表します。
中古住宅の取り引きを行うときに、買う人にとっては、その建物がこれから何十年もの間しっかり住めるのかどうかが気になるところです。
また、新築住宅を買う人にとっても、ハウスメーカーや工務店がちゃんとした住宅を建ててくれたのか、第三者である専門家の目でチェックして欲しいというニーズもあります。
そういった際に行われるのが「インスペクション」で、構造耐力上主要な部分の調査や雨水の侵入を防止する部分の調査、耐震性に関する書類などを専門家にチェックしてもらうことができます。

インスペクションを行う専門家は、「国土交通大臣の登録を受けた既存住宅状況調査技術者講習の修了証明書を有する建築士」となっています。
建物の専門家である建築士が、さらに一定の専門講習を修了することで「既存住宅状況調査技術者」という資格を得ることができるわけです。

中古住宅売買が一般的な欧米では、住宅購入時にインスペクションを行うことが普及していますが、日本ではまだまだ普及が進んでいません。
とは言え、国としても今後は中古住宅の活用を進めていく必要があると考えているため、インスペクションの普及も必要だと考えています。
そのため、インスペクションの制度化を進めたり、宅地建物取引業法改正によって住宅購入時にインスペクションの説明を宅建士が行わなければならなくしたりと、インスペクションの普及を推進しています。

実は私自身も「既存住宅状況調査技術者」の資格を保有していますが、今回はせっかくの機会なので、インスペクションの実績が豊富な専門企業に依頼してみました。

インスペクションの様子

インスペクションは原則非破壊で検査を行いますので、目視や計測によって建物の状況を調査していきます。

まずは、外からの確認です。
屋根の上を確認できる場所から双眼鏡を使って屋根材の劣化状況を確認してもらいました。

その後、家の周囲を調査してもらいました。
手で触れるところは直接触って確認したり、基礎部分でひびがある箇所はクラックスケールという物差しのようなものでひび割れ幅を測定してもらったりしました。
庭の水栓からきちんと水が出るのかどうかも実際に水を出して確認してもらいました。

今回は鉄筋探査機による調査も依頼していたので、基礎部分の鉄筋が規定通りに入っているのかどうかも鉄筋探査機を使って調査してもらいました。

玄関ポーチのタイル部分は、打診棒を使ってタイルの剥離がないかを調査してもらいました。
剥離箇所は打診棒をこすったときの音が明らかに違うので、その音で診断します。
今回、一部剥離があることが確認できましたが、補修するほどの状況ではありませんでした。

外回りの調査が一通り終わった後、ようやく屋内の調査に進みます。

まずは、サーモグラフィカメラを使った調査です。
サーモグラフィカメラでは温度が高い箇所が赤く、温度が低い箇所が青く表示されます。
サーモグラフィカメラで見てみると、壁の中の柱や筋交いが入っている箇所や、床下の根太が入っている箇所などがハッキリとわかって面白いです。
雨漏りしている箇所などがあればサーモグラフィカメラで判明しますが、幸いなことに雨漏りはしていませんでした。

続いて、レーザー水準器で床や柱の傾斜を計測しました。
レーザー水準器のスイッチを入れると、水平と垂直の線がレーザーで示されます。
このレーザーの線と、床や柱の間にズレがないかを計測することで、傾斜を確認することができます。

次に、窓やドアなどの建具がきちんと開閉できるかどうかを調査しました。
一つひとつの建具を調査していくのは大変ですが、丁寧に確認していってくれました。

次に、設備機器のチェックです。
実際に換気扇を作動させたときに、ティッシュペーパーがピタッと吸いつけられるのかどうかによって、換気扇が正常に機能しているのかをチェックしていました。
水を扱う場所ではすべて実際に水を出してみて、水漏れしそうな箇所で水漏れが起きていないかを調べてもらいました。

次に、2階のクローゼット内にある天井点検口から小屋組を覗き込んで、雨漏り跡がないかどうかや、劣化状況などを調査してもらいました。
含水率計という木材の中の水分量を測る装置を使って、梁などに規定量以上の水分が含まれていないか計測してもらいました。
木材に水分を多く含んでいる場合には雨漏りなどが疑われますし、何より湿った木材はシロアリの大好物なので、含水率を調査することはとても大切です。

そして最後が一番大変な床下の調査です。
台所にある床下収納が点検口になっているため、収納を取り外してそこから床下に潜り込んでもらいました。
家を支える土台や床組に問題がないか、シロアリ被害が出ていないかなどを詳細に調査してもらいました。

朝から始まって5時間くらいかけて丁寧に調査してもらいましたが、その間、担当インスペクターの方にずっと付き添って質問攻めにしてしまいました。
それでも一つひとつの質問にきちんと答えていただき、自分にとって大変学びの多い機会となりました。

インスペクションの結果

数日後、詳細な報告書が送られてきましたが、インスペクションの結果、大きな問題がないことが確認できました。
築30年近い住宅なので、シロアリ被害対応とか耐震補強が必要になることも想定していましたので、特に大掛かりな補修が必要ないことがわかってホッとしました。
これで安心してリフォーム工事に入っていくことができます。

まずは、外壁塗装と屋根工事を行いたいと考えています。
さらに、太陽光発電と蓄電池の設置や、オール電化、断熱、水回り機器の入れ換え、エクステリアの整備など、株式会社ソーラーパートナーズが提供しているサービス分野を中心にさまざまなリフォーム工事を少しずつ進めていきたいと思います。

普段は在宅ワークをしていることが多いですが、やっぱり現場はワクワクしますね。
今後も工事のタイミングに合わせて、どんどん現場に出ていきたいと思います。
床下に潜る様子